好意的に見たユタ
要約して言えば、沖縄人の信仰生活の根幹をなす祖先祭りの隅々までユタ社会の考え方が反映されているのを素直に認める視点でユタを理解するということになる。 ユタ社会の考え方を単純に迷信、タワ言だと否定しては祖先祭りはできないということだ。 それはまた、祖先祭りを否定しては沖縄の信仰生活も成り立たないということにもつながるというものである。 前回の「憎悪の目で見たユタ」社会も、一つの実態をあらわしたものにはちがいないが、それとは相反する視点からユタを捉えようとする考え方もあるということを物語っている。 … 続きを読む
参考書籍:琉球風水 福を招く家づくり墓づくり
ユタは本当に霊能者か!
ユタとは何者かと問われて、きちんと答えてくれる人が果たして存在しているのだろうか。 現に今、ユタ買いをしている人にこの質問をぶつけてみたところで、明確な返答が期待できるとは思えない。頭からユタの能力を否定し、嫌悪している人を別にすれば、一般の人びとにとってはユタというのは実に不可思議な存在だといえよう。 それで前回であげた「憎悪の目で見たユタ」と「好意的な目で見たユタ」の双方の視点から「ユタは真に霊能者」なのかを考えてみることにする。 ●憎悪の目で見たユタ 沖縄には「ユタムヌイー」ということばが … 続きを読む
参考書籍:琉球風水 福を招く家づくり墓づくり
ユタってなに?
沖縄社会がユタにむける目は両極端に分かれる。憎悪の目と好意的な目だ。 憎悪の目は、「ユタムヌイー」ということばに象徴されるように、「嘘八百を並べたて、人の不安をかきたてる」だけのフラチな者であり、悪らつな拝金主義者という評価につながっている。 好意的な目は「沖縄社会のカウンセラー的な役割を果たし、かつ信仰生活の確信をなす「祖先崇拝の維持者」という評価につながっている。 こうした、全く相反した評価にさらされているのがユタである。 憎悪の目でみたユタとは、 ●ユタの言う通り、多額の費用を使って方々の … 続きを読む
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沖縄の霊能者
今やその存在は全国に知れわたるようになり、その特異な能力は霊能者の間でもきわだっている。 霊視する力は原始の社会から近未来まで人間の想像力をはるかにこえる。 男と女の合性から、何世代までさかのぼって占い、判示(判断)をくだす能力は、神から選ばれた者に与えられたものだと信じている。 たわごとの世界だと思える「ユタワールド」だが、その不思議の世界にひきこまれ抜け出せない人が多い。それとは逆に、タチの悪いサギ師呼ばわりしてはばからない人もいる。それだから、さまざまな風評にさらされる。ユタ社会のナゾ解き … 続きを読む
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