琉球国の王権発祥の地として知られる浦添グスク(浦添市)の東端にある「上の山拝所」は、日の出を観測して作物の播種、植え付けの時期を知らしめるための重要な太陽儀礼である「ウティンダウガミ」(お日拝み)の祭場であったと推察されている。
その拝所から「ワカリジー」(別れ岩)を結ぶ直線上の辰の方角の洋上に久高島がある。浦添グスクから眺めると「太陽が穴」にもっとも近い神の島であることが実感できる。
つぎに、水性の巳の方角に目を転じてみると、与那原の聖地「ユナグハマ」(与那古浜)が見わたされる。この浜にニライの大神「にるや大主」も影向(姿をあらわす)し、天女(アマクダイ)も天降ったと伝わっている。
この地域にはまた、「ヨナバルウェーガー」(与那原親川)、「ウドゥンヤマ」(御殿山)、「クバドゥノ嶽」、「ヨクヅナノ嶽」など天人女房型の羽衣伝説やニロー神の伝承が集中している。
〔次回 9月8日|東御廻り その2 東四間切への巡拝〕
東御廻り その1 王権祭祀の二大祭場
スポンサーリンク