首里観音堂 その1

首里観音堂の建っているあたりは、かっては緑濃い嶺となっていて、萬歳嶺(バンザイレイ)とよばれていた。その名残をとどめているのが、境内の一隅に建立されている復元された「萬歳嶺記」である。

琉球松の古木が林立する嶺の中腹に首里観音堂が威風をみせていたようだが、沖縄戦で緑したたる嶺もその原型をとどめぬほど姿をかえてしまった。
上り口説」(ヌブイクドゥチ)の歌にあるように、江戸上りの際には、ここ首里観音堂の前で旅の安全を祈願し、三重グスクで人びとに別れを告げ、薩摩へ向かうのが慣例となっていた。
これからも分かるように、その昔から航海安全を祈願する寺院として人びとから尊崇されてきた。

〔次回 8月4日|首里観音堂 その2〕

参考書籍:沖縄の聖地

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