沖縄には死者の霊は、生きている人の運命を左右する力があるとする観念がある。それだから、死者の霊を慰め、供養することを何よりもたいせつにする。
ところが誤って継承されたトートーメーをそのままにしておいて、いくら熱心に御願しても、いくら豪華な供物をそなえても、それは「とおらない御願」になってしまい、祖先にはとどかないと考えられている。したがって、祖先は常に「ウグヮンブスク」の状態にあるということになる。
子孫が病気になったり、家が繁昌しなかったり、商売がうまくいかないのも、ウグヮンブスクの状態にある祖先からの「シラシ」(知らせ)と解釈されるわけだ。
そのシラシに気づかず、シジタダシをしないままのトートーメーでは御願は通らず祖先は供養も受けられない。それがために、子孫に災厄が及ぶということになる。
〔次回 10月30日|シジタダシを司祭するのは〕
シジタダシ その7
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