旧暦の3月3日は「ハマウリ」(浜下り)の日である。かっては、村中の者が決められた浜辺に集い、ごちそうを食べた後で潮干狩りを楽しみ、手足を潮にぬらすことによって不浄を払い、健康を願ったものである。近年こうした行事の本質は徐々に忘れ去られてしまったようだ。
全島的にこの日にヨモギ入りの草もちをつくり、火の神・祖霊におそなえし、家族の無病息災を願う。
女の子の初めての浜下りには草もち、サングヮッチグヮーシ(3月菓子)、花イカなどを詰めた「サングヮッチウジュウ」(三月御重)あるいは「ハチウジュウ」(初御重)などとよばれる華やかなお重をつくってもらう習慣があり、お重開きは浜でおこなうというのがしきたりとなっていた。
また、地域によってはこの日に海で亡くなった者の霊を弔う「ハマスーコー」(浜焼香)をおこなう。
よもぎ入りの草もちは邪気を祓い、浜の白砂を踏むのはけがれを清めるという意味がある。
〔次回 12月21日|グングヮッチグニチとヒヌカン〕
ハマウリとヒヌカン
参考書籍:家庭でつくる 沖縄行事料理とふるまい料理 絵でみる 御願365日
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