ヒヌカンの下天の拝み

年末に天の神さまのもとに帰ったヒヌカンが、もどってくる日(下天)とされているのが旧暦の1月元日から4日までである。

上天の日が12月24日(旧暦)とほぼ統一されているのと比べると、下天の日は地域によってバラつきが見られる。その理由は解明されていないようだが、中国のカマド神の受容の濃淡が影響しているのではなかろうか。

下天の日の御願は、ほとんどの地域で「家族の健康、家庭の円満」などを祈願し「守護」を願っているようだ。
ヒヌカンが下天する際には「黄金(クガニ)を抱いてくる」、あるいは「金銀財宝(クガニナンザン)を持ってきてくれる」という伝承を残している地域がある一方で、下天の拝みはやらないという地域もあり、一様ではない。

いずれにしても、下天の日は正月元旦や初越しの年中行事と重なる地域も多く、ヒヌカンの下天に対する認識はそれほど強くはないようである。
下天の日の供物は地域や家庭によって違いが見られるが、一般的に上天の日の拝みとほぼ同じである。

〔次回 3月12日|マブイグミとヒヌカン〕

参考書籍:家庭でつくる 沖縄行事料理とふるまい料理 絵でみる 御願365日

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