安謝のビジュル

安謝の住宅のたてこむ一角にセメントづくりの台座の上に家型の祠を立て、その前にウコール一基を安置した拝所がある。 沖縄戦で消失した霊石のかわりに新しく仕立てた石に「美鶴」の文字を刻み、女の子を美しく育ててくれる神霊が宿るとして地域の人びとが信仰を寄せている「安謝のビジュル」である。 旧暦の9月ともなると、地域住民はもとより他地域からも生まれた子の誕生報告と健やかな成長を願う「子育て祈願」に訪れる人の姿が見られる。 男子は長じて働き者に、女子は機織りが上手で美しく育つようにと布や竹ぼうきを供える風習 … 続きを読む

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喜屋武のフトゥキヌメー

南風原文化センター敷地内に、背後にひかえる緑濃い森にむかう「飯上げの道」とよばれている石段がある。 石段を登りつめた先に「仏ぬ前」と刻銘された石碑の建つ小広場があり、左手の奥まったところに石づくりの小祠が見えている。祠の中に球型のめずらしい形をした霊石が一体祀られており、手前にはウコール一基が安置されている。地元で「フトゥキヌメー」とよばれている拝所である。 旧暦の9月9日には「クガニのニンゲー」(黄金の願い)と呼ばれる家単位の拝みが現在でも行われている。その昔は「テラウグヮン」(寺御願)と称し … 続きを読む

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兼城のスムガーブンギン

報得川(糸満市)に架かる兼城橋を渡り、右手高台の集落に向かう道路沿いに鉄パイプづくりの鳥居の建つ小広場がある。大ぶりの鳥居の先にウコールが設置され、その背後は洞くつとなっており、小ぶりながら発達した鍾乳石が見られる。 洞くつ入口に設けられたセメントづくりの階段を下り降りると、岩をセメントで塗り固めたような祭壇があり、台上にウコールが安置されている。狭く横長にひろがった洞くつ内にも数基のウコールがある。 旧暦の9月には集落による「子育て祈願」が現在も行われているが、年々参加者が減少しているのが現状 … 続きを読む

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座波のビービル

賀数グスクの立地する小高い丘を地元では「賀数のウナンチヂ」とよんでいる。 かってのウナンチヂの面影を残すところは少なくなっているが、賀数グスクのある緑濃い森、拝所の「ビービル」へ分け入る数十メートルの里道が往昔の趣きを今に伝えている。 霊石を「ビービル」(ビジュル)として祀った「座波ビービル」では現在でもなお、過去一年間に生まれた子の誕生報告と健やかな成長を願う「子育て祈願」が行われている。また、古来より「ウヤシネー」(御養い…ヤシネーウヤ)として拝む風習があり、他地域からの参拝者も多く見られる … 続きを読む

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摩文仁のイーグシク

健児の塔入口にむかう左手の緑濃い森の中に、草深い広場がある。広場中央に「上城殿」(イーグシクトゥン)と記された祠があり、つき当たりは大岩を背にしてつくられたセメントづくりの祠が建つ拝所となっている。 大岩を背にした拝所は、その昔から「ヤシネーウヤ」として集落の人びとによって崇拝されてきた「摩文仁のイーグシク」である。 旧暦の9月9日には昔通りの「ティラムヌメー」が行われており、多くの人たちが参加している。 特に「ヤシネーウヤ」としての信仰は根強く、生まれた子が病弱で親との相性がよろしくないと判断 … 続きを読む

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武富のビジュル神

武富集落(糸満市)の中央に、拝所のある公園といった趣きをたたえた小広場がある。小広場には「卯方ヌ嶽」・「ビジュル神」、隣接して「土帝君」の祠が建っている。 現在でも旧暦の9月には「ビジュルムヌメー」があり、集落の人びとはもとより近隣地域からも参詣者が訪れる。特に過去1年間に誕生した子どもの親は、昔からの習わしに従ってビジュル神、土帝君への祈願はかかさないという。 男の子の場合はビジュル神、女の子の場合は土帝君を拝むのが古来よりのしきたりとなっていたようだが、近年は性別に関係なく両拝所へ祈願する人 … 続きを読む

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饒波のビジュン

拝めば女の子が美しく育つという言い伝えがあるのが豊見城市饒波集落内にある「饒波のビジュン」。 小広場のすみっこに大枝をひろげたガジュマルの根もとに、小ぶりだが石づくりの祠があり、霊石一体が安置されている。 旧暦の9月には集落の人たちによる「ビジュンムヌメー」(ビジュル参り)があり、「子育て祈願」がおこなわれているが、特に女の子の場合は、拝めば美しく育つとあって参詣者が多いという。さしずめ「女性のパワースポット」というところか。他地域からの参詣者も意外に多い。 なお、拝む際にはチャーギ(いぬまき) … 続きを読む

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嘉手苅の東江家・西江家の御ビジル

西原町嘉手苅集落に尚円王の住居跡として知られる「内間御殿」がある。御殿内の東江家の屋敷と隣接する西江家の屋敷は、いずれも内間金丸(後の尚円王)とゆかりのある場所とされている。 東江家の屋敷内の東側に二連式で石づくりの小祠が建っている。むかって右側の祠が「東江家の御ビジル」で、東側が「東江家火の神」の祠である。西江家屋敷内には「西江家の御ビジル」がある。 東江家の御ビジルは、2枚の大きな石を手を合わせた形に、その間に棟石を配した切妻屋根づくりとなっている。祠の中には珍しい形をした霊石一体が安置され … 続きを読む

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謝苅モーグヮーのビジュル

北谷町謝苅地区で「ジャーガルモーグヮー」とよばれている小高い丘にリュウキュウマツの古木が目につく小広場がある。その広場の樹木の陰に身をひそめるようにセメントづくりの祠が建っている。 祠の中には霊石が二体祀られており、その前にウコール一基が安置されている。 前回紹介した「山里のヒャーナーウガン」からビジュルをウンチケー(お迎え)して祠を建て、集落の人びとが拝むようになったのが始まりとされている。 当初は、ヒャーナーウガンへウトゥシするための拝所とされていたというのだが、いつの間にか、過去1年間に生 … 続きを読む

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山里のヒャーナーウガン

大きな石を3枚組み合わせた重量感のある祠の中に複数の霊石をビジュルとして祀ったのが沖縄市山里にある「ヒャーナーウガン」である。祠がヒャーナー原にあることからその名がついたといわれている。 往昔より、普天間権現のクサイ(一対)として、人びとの信仰を集めてきたようだ。あらかじめ普天間権現を参詣してから、ここヒャーナーウガンを拝むのが本来の拝み方だとされている。もちろん、ビジュルを通してウトゥシする人も少なくない。 生まれた子のすこやかな成長を願う「子育て祈願」や、異郷の地で暮らす子孫の健康を願う「旅 … 続きを読む

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