マドゥトゥシビー

自分の干支とその年の正月最初の同じ干支の日(旧暦)を「ウマリビー」(生まれ日)として厄を払い、健康を祈願するのが「マドゥトゥシビー」。 正月2日から13日までの間には十二支すべての干支が回ってくる。沖縄のカレンダーであれば例外なくその日の干支が掲載されているので確認できる。 その日は火の神、仏だん(祖霊)に赤ウブク、酒などをそなえ、線香を焚きあげて生まれ日にあたる家族の名を告げて、一年間何事もなく過ごせるように厄を払い、健康を祈願する。 なお、祈願は本人がするのではなく、家族のほかの者にやっても … 続きを読む

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カーウガミ

カーウガミとは「水の神に感謝する」儀礼のこと。 若水や産水を汲む特定の川や泉がほとんどの集落にあった。聖地として尊拝されており、拝所が設けられていた。 年の初めにこれらの川や泉を巡拝することを「カーメー」(井泉参り)あるいは「カーウガミ」(井泉拝み)と称した。 ヒジュルウコー(火を点けない線香)、ビンシー、ウチャワキ(重箱料理でも)をおそなえし、水の恩に感謝するとともに家族の健康を祈願する。 旧大里村の古堅では、それぞれの家庭で、はじめに火の神への御願をおこない、自分の家に井戸がある場合は井戸を … 続きを読む

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ハチウクシ

要約していえば仕事始めの儀礼のことである。農村地域では「ハチバル」(初畑)漁村地域では「フナウクシ」(舟起し)の儀礼がおこなわれる。ただし、近年「ハチバル」の儀礼は衰退著しく、「フナウクシ」だけが漁業の盛んな地域で行われているにすぎない。 いずれも、はじめに「火の神」に「ハチウクシ」をおこなう旨を告げる。 「ハチバル」では、農具を庭先に集めて、酒・花米・塩をそなえて作物の豊作を祈願する。農具に塩をふりまくところや、クワを地面に3回振り下ろす所作をする地域もあった。 「フナウクシ」では、大漁旗をか … 続きを読む

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正月の御願

正月飾りをすませ、供物をおそなえし、火の神・床の間・トートーメーの順に新年のあいさつをする。 火の神には今年の正月を迎えたことを報告し、「家族そろって元気でよい正月を迎えさせていただきありがとうございます」と感謝のことばを述べ、「新しい年も家族みなが健康で家庭円満に過ごせますよう、お守りください」と祈願する。 床の間のある家では同じように祈願する。 トートーメーには「今年一年、家族が健康で笑いに満ちて幸せに暮らせますよう、ミーマンティ ウタビミソーリ ウートートゥ」と祈る。その後に、家族一人ひと … 続きを読む

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火の神・トートーメーの正月飾り

「あらたまぬ年に炭(タン)と昆布(クブ)飾てぃ」と琉歌に詠まれているようにウカリー(御嘉利)とよばれている三枚重ねの色紙の上に昆布で巻いた炭(炭飾り)、だいだい(みかん)などをのせて火の神やトートーメー、床の間を飾り、ウチャヌクや赤ウブク(仏だん)、ハレの膳料理(トートーメー)をそなえる。 火の神の花生けには若松や竹などの若木を生け、トートーメーには菊の花や南天などの生花を生ける。いずれも縁起物である。 床の間の正月飾りとして、本土風の鏡餅を飾る家がふえてきているようだが、沖縄の風習ではない。沖 … 続きを読む

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ソーグヮッチ(元旦) その3 ミジナディ

ウブガー(産井、村ガー)から汲んできた水を器に入れて聖水として、それに中指をひたして額を3回なでる呪法(まじない)を「ミジナディ」(ウビナディとも)という。 ミジナディは「正月元旦のミジナディ」、「赤ちゃんのミジナディ」、「結婚祝いのミジナディ」などなどがある。 正月元旦のミジナディは、朝一番に汲んできた水(若水)を聖水として祖母や母親が中指をひたして、子や孫の額を3回なでて健康祈願をする。 赤ちゃんのミジナディは、赤子が生まれると祖母は子どもをつれてウブガーから汲んできた水(産水)を容器に入れ … 続きを読む

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ソーグヮッチ(元旦) その2

正月飾りをした火の神・仏壇に新年のあいさつをし、神々やご先祖の加護に対する感謝と、今年一年の家族の健康と子孫繁栄を祈る。その後に、家族それぞれが願いを叶えてくださるように祈願する。 なお、「正月飾り」には次のような意味があると伝えられている。 ウカリーと美称される三枚の色紙は、「赤」は健康、「白」は運勢、「黄」は黄金をあらわし、迎える年が健康で良運に恵まれ、金持ちになれるようにという願いが込められているとされている。 色紙にのせる「炭」は家の繁栄、「昆布」は祝賀、「だいだい」は子孫繁栄の象徴とさ … 続きを読む

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ソーグヮッチ(元旦) その1

ソーグヮッチウヮーにまつわる話も、今や伝承の中で語られるようになってしまい、記憶の中の風物詩の一つとなってしまった。 ワカミジ(若水)を汲み、火の神におそなえし、ウチャトゥをたてて仏壇(祖霊)にウサンデーした水でミジナディ(水撫で)する正月風景も様変わりした。いつの間にか初日の出や初詣に人びとが押し寄せる様子がありふれた風景となってしまった。 豚肉づくしの正月料理にかえて、本土風のお節料理で食卓を飾る家庭もふえた。 それでも、火の神や仏壇にウカリーと美称される三枚重ねの色紙(赤白黄)の上に昆布で … 続きを読む

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家庭の中の年中行事

生活をとりまく環境の変化によって、年中行事そのもの、および儀式も、あるものは衰退し、あるものは形を変えて簡素化され、あるものは消滅したものもある。 かっては、もっとも重要な農耕儀礼であった「ウマチー」(麦稲の四祭)は、家庭行事としてはほとんど営まれなくなり、かろうじて集落の祭祀として継承されている。ハチウクシも農村の「ハチバル」はほとんど見られなくなり、漁村の「フナウクシ」のみが受け継がれ、カママーイは消滅してしまった。 家族が健康で暮らし、穏やかで幸せな家庭生活を願う気持ちは今も昔も変わらない … 続きを読む

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形式を持った儀式 その2

「ジュウルクニチー」(十六日祭)や「シーミー」(清明祭)は、いかにして亡くなった祖先の霊をしのび供養するかをじょうずに教えてくれる。 また「春秋の彼岸祭」や「ジュウグヤ」(十五夜祭)は、神々に対する考え方、自然観をみごとに表現してくれる。さらに「ウマチー」と総称される「稲麦の四大祭」は、王国時代からつづく農耕儀礼をしっかりと伝えているのである。 ただ、一定の形式をもつ儀礼は、無駄を省き、能率的な生活を求める現代人にとっては、カビの生えた何とも古くさい因襲にすぎないと思えるかもしれないが、継承され … 続きを読む

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