今泊のプトゥキヌイッピャ

今帰仁グスクの南側に位置する「クボウ御嶽」のある森の西側のふもと、草深い山道を踏み分けて進むと左手の斜面にポッカリと口を開けた鍾乳洞がある。

 「子授け祈願」の霊地として全島的に知られた「今泊のプトゥキヌイッピャ」で、地元では「クヮッナシガマ」ともよばれている。

入口より5〜6mほど洞くつ内に降りていくと、十二畳敷ほどもあろうかと思えるほどの空間が広がっている。よく目を凝らして見ると、薄暗い洞くつ内に二基のウコールが安置され、その回りにほの白く光る小石がそなえられているのが分かる。小石は「ウル」と呼ばれる珊瑚石である。

子授け祈願する人は、あらかじめ今泊の浜からウルを拾ってきて、供物と一緒にそなえるのが昔ながらの風習となっているようだ。祈願をすませた後、すでにそなえられているウルの中から一個だけ選んで持ち帰り、それをお守りにしていると子が授かるとされている。

なお、旧暦の5月と9月には今帰仁ノロの司祭する祭祀が執り行われているたいせつな拝所でもあり、祈願する際はきちんとあとかたずけをするのが礼節であろう。

〔次回 3月18日|西江のニャーティヤガマ〕

参考書籍:沖縄の聖地

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