宇堅荒吹きのビジュル

脚下に荒々しい波が吹きあげる海岸べりのごつごつした岩場の一角に、鍾乳石が見られる小さな洞くつがある。
洞くつ入口をふさぐように破損した石体を霊石として祀った拝所がある。その昔から霊験あらたかだとして地域の人びとによって尊拝されてきた「荒吹きのビジュル」である。

1960年代まで安置されていた石体(一対)は割れてしまったのか、現在はそのかけらがビジュルとして祀られている。
もっぱら個人的に参詣者が主なようで、特に霊能者が依頼者を伴って拝みをする姿がよく見られるという。かたわらにうち棄てられたヒラウコーの束や白紙などがそれを物語っている。
かつては、集落の人がこぞって「ビジュンムヌメー」(ビジュル参り)をしていたというのだが、いつの間にかそれも消滅したようだ。

〔次回 11月4日|平安名のフトゥキントーのビジュル〕

参考書籍:沖縄の聖地

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