平安名のフトゥキントーのビジュル

地元ではビジュルを祀った祠の建っている場所を「フトゥキントー」とよんでいる。平安名の横断農道として知られる「ワイトゥイ」を通り抜け、それにつづく農道をすすむと、まわり込む森の裾野の一角に、雑木を伐採して拓けた小広場が見えてくる。
その広場の一隅に岩かげを思わせる小さな洞くつが顔をのぞかせ、洞くつの奥に石が積み回され、その前に石体一対が安置され、三基のウコールが配置されている。

石体一対は霊石とされ、「フトゥキントーのビジュル」とよばれている。古くから平安名集落では、子どもが生まれた家庭では必ず、子の誕生報告と健やかな成長を願う「子育て祈願」がおこなわれていたという。また、その際には生まれた子の性別によって拝む霊石も決まっていたという。
こうした風習もじょじょに忘れ去られてしまったようだ。
いかにもパワースポットの雰囲気をただよわれている拝所の一つである。

〔次回 山里のヒャーナーウガン〕

参考書籍:沖縄の聖地

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