喜屋武のフトゥキヌメー

南風原文化センター敷地内に、背後にひかえる緑濃い森にむかう「飯上げの道」とよばれている石段がある。
石段を登りつめた先に「仏ぬ前」と刻銘された石碑の建つ小広場があり、左手の奥まったところに石づくりの小祠が見えている。祠の中に球型のめずらしい形をした霊石が一体祀られており、手前にはウコール一基が安置されている。地元で「フトゥキヌメー」とよばれている拝所である。

旧暦の9月9日には「クガニのニンゲー」(黄金の願い)と呼ばれる家単位の拝みが現在でも行われている。その昔は「テラウグヮン」(寺御願)と称して3歳と7歳の子どもを連れて首里にある寺に拝みに行く習わしがあったそうだが、首里まで行けない人がここ「フトゥキヌメー」よりウトゥシするようになったという。
女の子は布切れを、男の子は竹の枝7本を束ねた竹ぼうきを納めるのが伝統的なしきたりとなっていたようだ。

〔次回 1月6日|安謝のビジュル〕

参考書籍:沖縄の聖地

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