貝 その3

現在、沖縄で魔よけとして用いられている貝といえば「アジケー」と「スイジガイ」がほとんどである。他の貝類を並べている家も散見されるが、魔よけというより装飾品として使用されているようだ。
魔よけとするからには、外見も大きくてりっぱに見えるものがより効力があるだろうと考えるのは当然のことだろうが、理由はそればかりではなさそうだ。

沖縄の聖木の一つに「アザカ」(和名=ナガミボチョウジ)という植物があり、いろいろな祭祀のときに用いられている。そのアザカの葉のつき方が上から見ると十字の形に見える。アジケーの口縁のギザギザが合わさったときにも十字の形に見えるところから、聖木のアザカを連想させ魔を祓いのける呪力があると考えられたからだとする意見もある。

他方、アジケーの口を開いた形が女陰を連想させることから呪力がそなわっているとされ、魔よけに用いられたとする考え方もある。女陰を指す地方名とアジケーの地方名が同じだとする地域もあり、このような考え方をうらずけているとされている。

〔次回 8月4日|貝 その4〕

参考書籍:沖縄の魔よけとまじない

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