血縁関係はないのだが、まつる者の祖先ないしはまつる者自身がお世話になった家のトートーメー(位牌)を預かってまつることがある。このようなトートーメーのことを「ウンヌグヮンス」(恩のある位牌)という。
世話になり恩があるとはいっても、継承者がいれば預かってまつるようなことはしない。それだから「ウンヌグヮンス」の場合、継承者が途絶えているか、もしくはたとえいたとしても何らかの事情で継承できない場合がほとんどである。
形の上では「アジカイグヮンス」ということになるのだが、預かる者は自身の家の仏だんに位牌を安置してまつることはよくないとされている。
あくまでも一時的な預かりということになるのだから、位牌は故人の家に安置したまま供養をすることになる。一定期間(預かった者が生きている間)供養した後、しかるべき継承者があらわれない場合は寺に預けるのが一般的なようだ。
〔次回 8月11日|ウタナー(御棚)〕
ウンヌグヮンス
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