今まで見てきたように、戦前の婚礼儀礼は盃事、ミジムイ、ユレーウブンなどといった夫婦固めの儀礼もすべて、男性方の家の二番座でおこなわれていた。
戦後になってこのような家庭での結婚式は急速に減少し、婚礼の挙式方法も神前・仏前結婚がふつうにおこなわれるようになった。そうなると古式にかわってヤマト式の三三九度となるのは自然の流れというものであろう。
戦争をはさんで婚礼の挙式方法も大きく様変わりしたが、披露宴もすっかり変わってしまった。
戦前からニービチスージに近親者を招くという風習はあったが、今日見られるような結婚披露宴とよぶ大々的な宴会を催すということはあまりなかった。酒宴の場はあくまでも男性の家であり、招待客も地縁・血縁者に限られていた。
〔次回 11月17日|沖縄的披露宴〕
戦後の結婚式事情
スポンサーリンク