シビランガ(紫微鑾賀) その1

建築儀礼の一つに「棟上げ」(ンニアギ)と称される上棟式がある。その際に、棟木に「天官賜福 紫微鑾賀」(テンカンフクヲタマウ シビランガ)あるいは「紫微鑾賀」と墨で書きつける風習があった。地域によっては短冊形の棟札にそれらの字を墨書きし、棟木に打ちつけるところもあったようだ。
棟木や棟札には紅白の紙で包んだ米と塩を対に、真ん中に昆布で巻いた炭を吊り下げた。

文字の意味は、中国人の名前、あるいはすぐれた棟梁や大工などと伝えられ、それが信じられていた、実際はどうだろうか。

まず「天官賜福」の天官とは天を司る神のことで、地を司る地官と水を司る水官と合わせて、中国では「三官」とよばれているという。
天官は、人びとに幸福をさずけてくれる神として「上元一品天官賜福大帝」とよばれるようになったといい、天官賜福とはこの神のことをさし、人びとに幸福をもたらしてくれる神の名前だということになる。

〔次回1月19日|シビランガ(紫微鑾賀) その2〕

参考書籍:沖縄の魔よけとまじない

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