かつては集落の人びとが決められた日に浜辺に集い、持ち寄ったごちそうを食べて潮干狩りをし、手足を潮にぬらすことによって不浄を洗い、健康を祈願するということが行事の主体であった。
集落単位の行事は衰退し、家族単位でおこなうピクニック的な要素が強くなり、この日に潮干狩りを楽しむ家族の姿が多く見られるようになった。
家庭では、よもぎ入りの草もちをつくり、火の神や仏だん(祖霊)に供えて健康願いをする。一昔前までは、女の子にはよもぎ入りの草もちやサングヮッチグヮーシ(三月菓子)、花イカなどを詰めた色鮮やかな「サングヮッチウジュー」(三月お重)をつくってもらう習慣があった。お重開きは浜でおこなうのがしきたりであった。
よもぎ入りの草もちは邪気を払うとされている。
〔次回|シーミー その1〕
サングヮッチャー(3月3日、浜下り)
参考書籍:家庭でつくる 沖縄行事料理とふるまい料理 沖縄祝い事便利帳 絵でみる 御願365日
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