タグ別アーカイブ: グソー

此岸(しがん)と彼岸(ひがん) その2

沖縄では、死後の世界、いわゆる来世を「グソー」とよび、今を生きる世界、いわゆる現世を「イチミ」と呼称している。 人の死はイチミの川岸からむこう岸のグソーの世界へ渡ることを意味するとも考えられよう。 彼岸祭は、火の神・祖霊に供物を献じ、ウチカビを焚きあげて祖先の霊をしのびなぐさめる祖先祭祀の一つとして営まれているが、これまでの家族の加護に対する感謝の祈りをささげると同時に、家の安泰を祈願するのも行事の本旨となっているようだ。 春・彼岸の頃に咲くのが「彼岸ざくら」で、秋の彼岸のころに咲くのが「彼岸花 … 続きを読む

参考書籍:家庭でつくる 沖縄行事料理とふるまい料理 沖縄祝い事便利帳 絵でみる 御願365日

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マブイワカシ

生者と死者の霊を分かつ儀礼のことで、多くの地域ではシンジュウクニチの焼香がすんだ後、ユタの司祭のもとでマブイワカシの儀礼がおこなわれる。 地方によって「ナーチャヌミー」(葬式の翌日)あるいは3日目にこの儀礼をおこなうところもあるようだ。 家族および臨終に立ち会った者たちが参加しておこなわれるマブイワカシは、亡くなった者との最後の別れの儀式ということになる。 死者に対して明確に現世との絶交を示す意味があり、現世に対する未練を断ち切り、成仏を願うことにもつながるとされている。 ユタや地域によって儀礼 … 続きを読む

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ユタのもつ異能

ユタグトゥのほとんどが死後の世界、沖縄人の言うところの「グソー」(後生・あの世)が存在するということが前提となって成り立っている。それだから、死後の世界を否定しては「ユタグトゥ」そのものが成立しないということになる。 私たちが漠然と頭の中に思い描く死後の世界を、あたかも見てきたかのように、あるいは体現してきたようにリアルに描写して見せる能力をもつのがユタともいえる。ユタの異能ともいえよう。  大きなアクビ(ユタによってバリエーションがある)が合図でもあるかのように、祖先の霊あるいは死者の霊がユタ … 続きを読む

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