タグ別アーカイブ: サワリ
祟り
祖先の霊を慰め供養することを怠ったりすると、祖霊はそのことを気づかせるために何らかの「サワリ」(障り)をおこすとされるのが、沖縄の伝統的な考え方である。 その「サワリ」とよばれる障害こそ「祟り」だと解釈される。その観念を強烈に主張するのがユタであり、祖先供養をささえる中心的な思想だといえる。 このような「祟り」の思想は何も沖縄人だけの専売特許では決してない。日本本土でも「祟り」と「死者の魂を慰め、しずめる」という仕組みがあった。 祟りと判断された場合は、仏教式の加持祈祷によって死者の魂を鎮魂した … 続きを読む
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シラシとサワリの発信
いろいろな理由から現世に対する未練を断ち切れず、成仏できないまま幽界にとどまっている霊は、この世にあらわれて生者に「シラシ」(知らせ)としてのサワリ(障害)をひきおこすというのがユタ世界の考え方である。 従って、シラシは成仏できない死者の霊が発信源となっており、そのシラシを生者に気づかせるためにサワリをひきおこすとされている。シラシとサワリは連動していることになる。 シラシとしてのサワリは種々の形となってあらわれてくる。 原因不明の心身の不調、たび重なる身内の病気、事故や災難などはユタ世界では成 … 続きを読む
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ユタグトゥ(ユタ稼業) 第1回目
前回シリーズでは「ユタになるまで」を31回にわたってお話した。 チヂアキの達成によって、それまで積み重ねてきた体験をもとにしてカミミチに踏み出す準備がととのい、ユタコーヤー(依頼者)の訪問をきっかけとして、いよいよユタ稼業に入っていく。それと同時にユタ修行が完結するということを述べた。 今回から、新しいシリーズとしてユタ稼業の実践をのぞき見ることにする。 ユタグトゥのことをあえて難しいことばで表現すれば「巫業」という。ユタの行なう業(仕事)のことで、手っ取り早く言えば「ユタ稼業」ということになろ … 続きを読む
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