沖縄人の考える 琉球の神々 その3

祖先が年忌や重ねた世代の数によって神格化(神さまの地位)し、祖先神(ウヤファーフジ)としてまつられる神。いわゆる祖先神である。
ただ、沖縄では人が死ぬと数週間で神になるとされる地域と、七代を経て神となるとする地域があり、神格化する年数や世代数にちがいがある。

もっとも多いのが三十三年忌(ウワイスーコー)を経て神となるとされる地域である。仏教の影響が大きいのだろうか。
祖先神となった祖霊は個性(特定の人物を示すこと)は消滅してしまうのが一般的だとされている。したがって、ウワイスーコーを経たウヤファーフジは祖霊としての個性を失い、祖先神の仲間入りをすることになる。

トートーメー(位牌)に霊が宿るのは三十三年忌までで、それ以降は祖先神としてクヮッウマガを守護することになる。かといって三十三年忌を終えた位牌札を処分する必要はない。沖縄の位牌札は、本土でいうところの過去帳の役割も果たしており、記録から抹消する必要はないからだ。

〔次回 8月15日|沖縄人の考える 琉球の神々 その4〕

参考書籍:

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