南部同様に北部にも一部地域(大宜味村)だが、屋敷神を祀っているところがある。村全体ではなく限られた区域だが、昔からあったというだけで造立の理由は明確ではない。石造りの祠でりっぱなものから、海岸の石を3個並べたもの、セメント造りと祠はバラエティ−に富んでいる。
北部地域では年2回とするところがほとんどである。
シルカビを「ミチャビ」と称し、竹にはさんで立ててそなえるというのが目をひく程度で、他地域との大きな違いは見られない。
今帰仁村の一部地域では、ミチャビ(シルカビ)のかたわらにお金を置いて、「あやむん、ながむん」(ともにハブの意味)を押しのけてくださいと願い、三貫三百伍拾の「ジンカニン」を受け取って栄えあらしめて下さいと祈願する。
ちょっと変わったところでは、名護市の久志では、屋敷の四隅の拝みが終るごとに、ダシチと呼ばれる堅い棒を3回たたいて地面に打ち込む。屋敷にヤナムンの入らないようにという一種のまじないである。
〔次回 10月29日|各地の屋敷の御願 その4〕
各地の屋敷の御願 その3
スポンサーリンク