ナーギムンとは土産のことである。黄泉の国へ旅立つ者への土産というのもなかなか理解し難い面もあるのだが、沖縄人の死生観がよくあらわれていると考える。 死後の社会が現世の社会と基本的には何も変わらないとする考え方があるということだ。つまりは、死後の世界も現世と同じような日常生活が営まれていると考えるのが沖縄人の死生観の一つということだ。
それだから、死者の遺族はもちろんのこと、隣人もそれぞれの祖先へのナーギムンとして死者に託するという風習が戦後の一時期まで残っていた。
クヮンチェーエバク(棺箱)には、隣人がナーギムンとして持ち寄った品々が納められた。日常品が主で、酒・タバコ・お茶・くし・ぞうりなどが多かったという。
このような風習は現在も継承されてはいるが、金属製品やガラス製品などのように燃えにくいものは禁止されている。
〔次回 7月22日|クヮンチェーエバク〕
スーコーのしきたり その2 グソーのナーギムン
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