サキムイで話がまとまると、つぎの儀礼である「クファンムイ」にすすむ。
クファンムイは、正式に結婚の約束を取り交わす、現代流にいえば「結納」ということになるのだが、女性の家に両家の親戚を招待して小宴をはり、二人を披露するという意味が含まれている。
このようなことから、クファンムイのことを「門中開き」あるいは「一門開き」と称する地域もある。
その日は、男性の家から紅白のもち、カタハラウンブー、サーターアンダギーなどを詰め込んだ重箱二重ねと、八寸重箱を積み上げた料理と酒などを持参し、盃事の後に酒宴となる。
重箱のまわりに箸を立てて回りに糸をめぐらして料理がくずれないように工夫する。このような料理を持参する風習は現在までも残り、古式を重んじる家ではつくられているようだ。
地域によっては、前回紹介した「サキムイ」と今回のクファンムイをいっしょに行うところ(中南部地域)がある。今流にいえば婚約と結納をいっしょにすませてしまうということだ。
〔次回 10月21日|妻問い(通い婚)〕
クファンムイ(結納)
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