2月と8月の屋敷の御願

一般的に家庭の主婦が司祭する屋敷の御願は、旧暦の2月と8月の彼岸の入りをめやすとしておこなわれるものと、旧暦の12月24日の「御願解き」(ウグヮンブトゥチ)といっしょにおこなわれるものがある。

今回は、2月と8月におこなわれる屋敷の御願を取りあげる。2月と8月はそなえるものから拝み方まで共通している。
拝む順序は地域によって若干の差があるが、拝む屋敷の神々はほぼいっしょ。ただカー(井泉)やフール(豚便所)は屋敷内からほとんど姿を消してしまった。フールのかわりに近代的なトイレを拝む人もいるが、伝統的なフールヌカミ(豚便所の神)のいる場所とはとても思えない。

●そなえるもの
酒・塩(トートーメーにはそなえない)・花米(ビンシー使用の場合は洗い米も)・白紙(各3枚)・ウチャヌク(トートーメー2飾り、ヒヌカン3飾り)・もち重一重ね(そなえない家も多い)・ごちそうを詰めた重箱一重ね(5品か7品の料理を盛りつけた皿でも)・線香(ヒヌカンはタヒラと2分の1、他はタヒラ)
●拝む場所
ヒヌカン→トートーメー→ユシンヌカミ→フールヌカミ→カーヌカミ→ジョウヌカミ→ナカジンヌカミ

※フール及びカーのある家はほとんどない。フールのかわりにトイレを拝む人がいるが、伝統的なフールヌカミの考え方はちがう。
※拝む順序は地域性があり、一様ではない。
※ユシンヌカミは東(ウヌファ)を起点とする地域と北(ニヌファ)を起点とする地域に分かれるが、いずれも反時計回りに拝む。
※屋外を拝む場合は、線香はヒジュルウコー(火をつけないままそなえる)にする。
※屋敷の御願にウチカビをそなえる人がいるが、ウチカビは原則として祖先祭祀にそなえるもの。

〔次回 8月8日|拝み方〕

参考書籍:琉球風水 福を招く家づくり墓づくり 絵でみる 御願365日 三山とグスク

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