ノロの役割とユタの役割

先回見たように、歴史をたどると、神女ノロなど)とユタが明確に区別されていなかった時代があったことが分かる。それだから、神女とユタももとをただせば源は一つだったということも言えるワケだ。

ところが、神女が組織としてまとめられるのと軌を一にして、布達の系列に袂を分かつことになる。
一方は、役人と同様に王名で所得の保証された神女(ノロ、ツカサ等々)として共同体の祭りや行事を司る役目を担うことになる。王名で所得が保証されるわけだから、その役割は祭りや行事の司祭する神事に限定され、死者の埋葬や供養などといった個人的なかかわりからは見をひくことになる。その身分は、能力(霊力)の有無にかかわらず世襲することによって守られることになる。

そうなると、生来的に備わっていたとされるカミや霊などと直に交流できる霊的能力(超能力)もそれほど重要なものではなくなってくる。その結果、霊的能力はじょじょにおとろえ、しまいには尽きてしまうことになる。

〔次回 7月23日|ノロの役割とユタの役割 その2〕

参考書籍:琉球風水 福を招く家づくり墓づくり

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