ユタの行う屋敷の御願 その2

屋敷の荒れというのは、土地や屋敷から霊障(サワリ)がおこり、それがヨゴされる(汚れる)ことをいう。
その判断は、言うまでもないことだが、ユタのハンジによって出される。屋敷の御願をすることによって、土地や屋敷が清められ、霊の怒りがしずめられる(霊障が取り除かれる)というわけだ。

家族の運勢のことを「フシ」(フシウンとも)というが、ユタのハンジによって、フシウンが衰退(おとろえ弱くなること)していると出た場合は、フシウンを強化する御願の一つとして「屋敷の御願」が行われる。

また沖縄では古くから、夢は「シラシグトゥ」(知らせ)の一つだとする考え方があった。その中でも牛馬などの家畜の夢は、人の死や祖先にかかわる悪い夢だとして恐れられてきた。
夢の中に牛馬が登場してくると「夢見が悪い」といって、ユタのハンジを求めるわけだ。
こうした夢見の判断としては、多くの場合「屋敷の荒れ」や「ウグヮンブスク」(御願不足)を指摘し、屋敷の御願をするよう求められることになる。

会社経営者の中にも、事務所や店舗などの立地する敷地を定期的に清め、災厄のおよばぬように祈り、商売繁昌を願うために屋敷の御願を行うものが意外に多い。

〔次回 7月16日|ユタの行う屋敷の御願 その3〕

参考書籍:

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