屋敷の御願

屋敷の御願をいとなむときの方法や時期は、地域によって若干の違いがある。
まず時期だが、本島地方では旧暦の2月と8月の彼岸入り前後の年2回とする地域が多く、そのほかには、同じく旧暦の12月24日にいとなまれる「ヒヌカンの上天の拝み」や「御願解ち」の際にもおこなうところもある。

宮古地方では、旧暦の正月初めにおこなわれる「願立て」と12月の「願解き」の際に屋敷の御願をいとなむ。
八重山地方では、旧暦の2月と12月におこなう。その他には、糸満のように年5回おこなう地域もある。
以上は、毎年決められた屋敷の御願日だが、それ以外にも、屋敷が荒れているというハンジ(ユタなどの霊能者による)が出たときや、「フシウン」(星の運)が弱っているというハンジが出たときなどにも屋敷の御願をおこない、屋敷を浄めたり、フシウンを強めるための祈願をおこなう。

なお、屋敷の荒れやフシウンが弱っているなどという判断は、一般の人ではなかなかくだせない。したがって、屋敷の御願も神人や霊能者、近年ではお坊さんに依頼しておこなうケースも目につくようになった。
神さまの怒りを鎮め、浄めるのは本来であれば神主の役割だと思うのだが、一部の宗派では地鎮祭も執り行うようだから、坊さんが屋敷の御願をおこなっても不思議なことではないのだろう。沖縄では宗派にこだわりを持つ人はごく少数と思われる。

参考書籍:琉球風水 福を招く家づくり墓づくり 絵でみる 御願365日 三山とグスク

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