死者を弔うのは

「素手で死体にふれることをヒジュルジーといい、冷たい毒気があって、ふれた人はたちまちハブに咬まれたようにドス黒くなって死ぬ」と伝えられている地域がある。だから「アミチョージ」(死者を清める)のときは白いタオルをまく。

このような「死穢」(しえ)を忌み嫌うノロにかわって死者と深くかかわり合うようになったのがユタである。
葬式仏教と揶揄されるほどに坊主が葬式の担い手になった以上に、沖縄では生きている者と死者をとりなす役目を与えられたのがユタだったということになる。

古くから沖縄では、生者と死者の関係はとても大切なものであり、密接なものであるとされている。死者の霊は生きている人の運命をも左右する力を持つと信じられてきた。その両者の橋渡しをし、とりなす役目を担ったのがユタである。

〔次回 10月1日|ユタの持つ一面〕

参考書籍:

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