運天のティラガマ

よく知られた「源為朝上陸碑」(今帰仁村運天)の後方、木立の中に通称「ティラガマ」と呼ばれている洞くつがある。代表的な神拝みでもある「今帰仁上り」の巡拝地の一つである由緒ある聖地なのだが、源為朝が一時的に住みついたと伝えられる伝説の方が有名のようだ。

洞くつの入口よりわずかばかり下り降りたところが小空間となっており、その中にウコールが安置され、背後に霊石(ビジュル)がまつられている。霊石は、古くから子授けの霊石が宿っているとされ人びとの信仰を集めている。

強い日射しがささない限り昼なお暗く、懐中電灯がなければ足元もおぼつかない。子授け祈願は洞くつ内の霊石の前で行うのが本来の拝み方なのだろうが、現在は洞くつ入口前に置かれたウコールですませる者も多いようだ。

現在でも村落祭祀の営まれる祭場であり、勝手にウコールを安置するのは厳禁のはずだが、いつの間にか拝みどころとなってしまったようだ。 なお、洞くつ内には源為朝の指の跡だと伝えられている手形らしきものがあるが、単なる伝承にすぎないであろう。

〔次回 3月11日|今泊のプトゥキヌイッピャ〕

参考書籍:沖縄の聖地

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