トゥシビー その3

トゥシビーのハイライトは、何といっても「カジマヤー」と称される97歳の生年祝いであろう。
華やかな衣装に身を包んだ当人がオープンカーに乗り、集落内をパレードする。沿道で見送る集落の人びとが手を振り振り祝福しあやかりたいと乞い願う光景はすっかり馴染みとなった。長寿社会となり万余の人びとが百歳を迎える時代になったとはいえ、97歳の齢まで達者でいられたのはやはり果報者といえるだろう。

祝いの席にカジマヤーを飾り、客人はトゥシビーの定番料理でもてなすのだが、桃の漬物と「ルクジュー」と呼ばれるとうふを薄く切って焼いたチャワキを出すのが首里・那覇あたりでは昔からのしきたりとなっていたという。

「桃」は百で、「ルクジュー」を二つ重ねたら百二十となる。百歳、百二十歳まで長生きできるようにという願いが込められているのだろう。 「ヒャクハタチヌケーブー」という古いことばが生きている儀礼でもある。

〔次回 5月6日|ニービチ〕

参考書籍:家庭でつくる 沖縄行事料理とふるまい料理 沖縄祝い事便利帳

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