屋部寺

山門、石灯ろう、そしてお堂と、沖縄では珍しく「お寺」の雰囲気につつまれているのが名護市屋部にある通称屋部寺こと「凌雲院」である。
1692年、開祖と伝えられる凌雲和尚が教えを広めるために、この地にそまつな草庵(小屋)を結んだのがはじまりだとされている。

お堂の背後に今も残る小さな石囲いに凌雲和尚が座して、屋部むらのお祓いをしたと伝えられている。和尚は教えを広めるかたわら積極的にむら人と交わり、子どもの教育に力を尽し、むらの発展に寄与したとして大いに敬愛されたという。

いつのことかは明らかにされていないが、子宝に恵まれない若夫婦が祈願したところ、さっそく子が授かり出産することができたという。以来、「子授け祈願」に訪れる人が多くなり、ことに中南部より祈願に訪れる人が多いという。また近年、受験生による合格祈願のメッカともなっているようだ。

1977年の改築により、赤がわらのお堂、釣鐘のある山門、石灯ろうなどが整備され、手入れの行き届いた境内とともに、おだやかなたたずまいを見せてくれる。 同年、開祖である凌雲和尚にちなんで「凌雲院」と名づけられた。

〔次回 4月1日|大木の徳武佐宮〕

参考書籍:沖縄の聖地

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