遺骸を埋葬所あるいは火葬場に送ることを「野辺送り」という。
野辺送りは引き潮に合わせて行うのがしきたりとなっていた。人が死ぬということは潮が引いていくようにあの世へ行くものだとする考え方から出たものだとされている。都合によって引き潮に合わないときは、引き潮を待って野辺送りをしたものである。
葬列は神道を通ることは許されなかった。神道は拝所や御嶽に通ずる道であり、祭りのときに神さまの通る道だと考えられていた。このような神道とは逆に、「グソー道」と呼ばれている葬送の道があった。
葬送の道をたどることによって、死者にこの世の思いを断ち切らせ、グソーへの旅立ちを受け入れさせるという役割があったとされている。現世への思いを断ち切ることによって成仏できると考えられていたのであろう。
〔次回 3月3日|シマミシー〕
野辺送り
スポンサーリンク