ユタってなに?

沖縄社会がユタにむける目は両極端に分かれる。憎悪の目と好意的な目だ。
憎悪の目は、「ユタムヌイー」ということばに象徴されるように、「嘘八百を並べたて、人の不安をかきたてる」だけのフラチな者であり、悪らつな拝金主義者という評価につながっている。
好意的な目は「沖縄社会のカウンセラー的な役割を果たし、かつ信仰生活の確信をなす「祖先崇拝の維持者」という評価につながっている。
こうした、全く相反した評価にさらされているのがユタである。

憎悪の目でみたユタとは、
●ユタの言う通り、多額の費用を使って方々の拝所を回り御願をしたのに、願いは叶えられなかった、無駄な出費がかさんだだけ。
●ユタ通いをしたのに、的はずれのことばかり言われて、不安は一向に解消されなかった。
●それぞれのユタが、全く異なるハンジ(判示)を出すので、いよいよ問題がこじれてしまった。
●ユタ買いをしたばかりに、新たな問題をかかえ込んでしまった。

いずれも実際にユタ買い(ユタに占ってもらう)をした人たちの声である。

好意的な目で見たユタとは
●ユタの判示によってはじめて祖先からのシラセを認知することができた。そして指示通りに御願を入れたら、フスク(ウグヮンブスク)が解消された。
●不幸の原因がユタの判示によって明らかになり、克服することができた。
●伝統的な御願行事をユタの助言によって間違いなく実践できた。
●祖先祭祀はほとんどユタによって伝承されてきたことがわかった。

これもまた、実際のユタ買いの中から、実感できたことだろう。

〔次回 5月2日|「ユタは本当に霊能者か!」〕

参考書籍:琉球風水 福を招く家づくり墓づくり

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