25 シジタダシの実践 その2 ウシクミグヮンス

ウシクミグヮンスとは、本来グヮンス(祖霊)として祀られていなければならない死者の霊が、何らかの理由で祀られてなく、成仏できないままになっていることをいう。

長男であるにもかかわらず、私生児扱いをうけて死後祖霊として祀られていないケースはその典型だとされている。世間にはままある事例の一つとされている。
この場合、当然のことだが、事実が判明した時点で、故人を本来の地位(長男)にもどして供養し、祖霊として祀らなければならない。そうでなければ、浮遊霊として子孫に災厄を及ぼすことになる。

ただ、ここで問題になるのは、ウシクミグヮンスの存在を発見する能力はユタなどの霊能者のみが有しているということである。だから、子孫に何らかの災厄が及んだとき、その原因がウシクミグヮンスの存在だと判断できるのもユタなどの霊能者ということになる。
ウシクミグヮンスの存在が判明したときは、ユタなどの霊能者によって「ウスリカキーン」の祈願によって、霊は本来の地位をとりもどして成仏し、子孫に対する災厄は取り除かれるという理屈づけがなされている。ウスリカキーンとは、カミや祖先の霊、浮遊した個人の霊におわびの「御願」を入れることをいう。

〔次回 7月18日|26 シジタダシの実践 その3 フタバウシクミ〕

参考書籍:

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