味わい深い石敢當 その2

北中城村熱田集落に見られる石づくりの石敢當の多くは、正面中央に「山石敢當」と刻まれている。
明らかに「泰山」の「」の文字だけを削り取った跡が見てとれる。

その理由は、尚泰久王(第2尚氏王統19代)の即位に際して、「泰」の文字の使用がはばかられたという説明がなされている。その説に従えば、これらの石敢當の造立年代は、当然尚泰久王即位(1848年)より前ということになる。
160年の歴史を有していることになるわけだ。

風化がすすみ、刻まれた文字の判読もままならないものもあるが、風雪に耐えた重みを感じさせる石敢當群である。
浜比嘉島にも、梵字のみの石敢當や文字のない石敢當、屋根付きの石敢當など、ユニークな石敢當がある。数は少ないものの一見の価値がある石敢當である。

〔次回 8月6日|味わい深い石敢當 その3〕

参考書籍:沖縄の魔よけとまじない

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