独身のまま亡くなった女性の位牌は?

人が亡くなると位牌を仕立てて祀るということは、沖縄が位牌祭祀を受容して以来、変わることのない不文律といえる。
従って、男女を問わず、独身のまま亡くなった場合でももちろん、位牌を仕立てて祀ることに何ら変わりはない。
ただ、トートーメーの継承にかかわる「四つのルール」には、娘はあらかじめ生家のトートーメーの継承者からはずされ、生家のトートーメーにいっしょに祀ることはタブーとされている。
その背景には、娘はいずれ結婚して生家を離れ、夫とともに嫁ぎ先の祖先として祀られなければいけない、とする伝統的な結婚観がある。

独身のまま亡くなった場合の祀り方として、

 娘だけの位牌とウコールを仕立てる。
 位牌、ウコールともに祖先のものよりひとまわり小さなものとする。
 仏ダンに安置するのではなく、棚をつくり別の場所に安置する。

こうした祀り方を「サギブチダン」とよんでいる。
継承者のいない「サギブチダン」は、ウワイスーコー(ふつう33年忌)までは、世代をまたがっても生家で祀る。そして、とむらいあげ(最後の供養)をすませた位牌は処分するという地域が多いようだ。

〔次回 8月13日|子どもをもつ女性が離婚した場合の祀り方は?〕

参考書籍:家庭でつくる 沖縄行事料理とふるまい料理 トートーメーQ&A スーコーとトートーメー 絵でみる 御願365日

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