二つのケースを想定して考えていくことにする。すなわち、死亡した年齢が7歳未満であるか否かということである。
伝統的な風習としては、7歳未満で亡くなった場合は、イーフェーを仕立てないで祖霊といっしょにウコールで祀る。主たる理由としては、7歳未満の幼児は「カミ的存在」と見なされるからである。イーフェーを仕立てて祀る必要はないという考え方が成り立つわけだ。
従って、トートーメーの継承にかかわるタブー(チョーデーカサバイ、チャッチウシクミ)からは解放されることになる。
7歳以上で亡くなった場合は、当然のことながらイーフェーを仕立てて祀ることになる。イーフェーを仕立てて祀ることは祖霊のひとりとみなされるわけだから、必然的にトートーメーの継承に深くかかわってくることになる。
たとえ未婚のまま亡くなってもトートーメーの継承者として祀られているわけだから、その兄弟を同じトートーメーに祀ることは許されない(チョーデーカサバイ)し、同様に兄弟が継承者になる(チャッチウシクミ)こともできない。
従って、未婚の長男を祀ったトートーメーの継承者(シービチ)は次世代(兄弟の子どもやいとこなど)の中から選ばなくてはならないということになる。次世代に適当な継承者が見つからない場合は、預かり位牌(アジカイグヮンス)として、さらに次の世代まで待つということになる。
〔次回 2月27日|長男が外国や本土で暮らしている場合〕
長男が未婚のまま亡くなった場合
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