カミダーリの初期の段階で、さまざまな声や音が混ざり合って聞こえ苦しむとされている。もちろん、その声や音の正体はおろか、意味も全く不明だという。
ノイズのひどいラジオを長時間聴いているようなもので、その苦痛は他人では理解不能なのであろう。普通の人間だって、雑音のひどいラジオを聴くというのは苦痛以外の何ものでもない。それが長時間繰り返されるというのだから、当人にとっては拷問に等しいのだろう。
しかし、このようなことが繰り返されていくうちに、雑音の中からカミや祖先の声を聞き分けられるようになるというのだから、常人にはほとんど理解し難い現象だといえる。
また一方では、夢の中に出てくる「シラシ」(知らせ)や不思議な体験を自分なりにカンとって、それがどのような意味を持つのかを悟っていくようになるという。つまりは自己流に解釈できる能力を身につけていくというわけだ。 自己流の解釈が正しいか否かを複数のユタのハンジをとり、照らし合わせていく。これを「チヂアワセ」とよんでいる。
〔次回 1月7日|チョウブ〕
チヂアワセ
参考書籍:
カテゴリー: ユタグトゥ(ユタ稼業)
タグ: シラシ, チヂアワセ
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