獅子が屋根にのぼったのは?

沖縄民家の象徴ともされている赤瓦屋根(セメント瓦も含む)の上に獅子像を設置する習俗が生まれたのはいつのことだろうか。言うまでもないことだが、獅子が屋根に設置されるための条件として瓦葺きの普及が必須となる。

那覇以外の地方の民家に瓦葺きの禁制が解かれるのは、1889(明治22)年のことである。当然、地方に残る民家の瓦葺きはそれ以降に建築されたものであり、せいぜい百数年しか経っていないということになる。

獅子が地方の民家の屋根の上に設置されるようになるのは、禁制が解かれた1889年以降ということになる。古い習俗の残る沖縄にあっては、屋根獅子の歴史はとても浅いということになる。 那覇だけは例外として身分に関係なく瓦葺きが自由にできたとされているが、その屋根に獅子が設置されていたかどうかは判然としない。

〔次回 9月2日|屋根獅子は沖縄発の習俗か?〕

参考書籍:沖縄の魔よけとまじない

カテゴリー: 石敢當とシーサー |

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