聖地巡拝

沖縄の聖地を巡拝するコースは大きく分けて三ルートがある。
その一つが、琉球の国づくり神話の中に登場する「御嶽巡り」(ウタキめぐり)だ。
神話の中で神のつくりたもうたとされる御嶽は複数あり、そのうち象徴的な「七御嶽」あるいは「九御嶽」を巡拝するのが「御嶽巡り」である。

二つ目が「ティダガアナ」(太陽の穴)に隣接すると考えられてきた玉城・知念・佐敷・大里(与那原も含む)の旧四町村に点在する御嶽や井泉、グスクの中の拝所などを巡拝し、国土の安泰と五穀の豊穣を祈願する「東廻り」(アガリマーイ)である。

三つ目が、三山分立時代の一方の雄であった北山地方(本島北部)に点在する拝所や旧跡などを巡拝する「今帰仁上り」(ナチジンヌブイ)である。

沖縄にはもともと「神拝み」(カミウガミ)と称して、一門(門中とも)ごとに祖先の故地である城跡・墓・泉(湧水)・井戸・御嶽などを巡拝する行事があった。
その起源は明らかにされていないが、国王による知念・玉城の開びゃく神話にまつわる聖地巡拝にその原型をみることができるとされている。
国王による聖地巡拝を見本として、士族門中による神拝みがおこり、さらに平民層(百姓門中)にまでひろがっていったと考えられている。

最初に取りあげる「御嶽巡り」は、沖縄の国づくり神話の中で語られる神のつくりたもうたとされる「琉球開びゃくの七御嶽」から順次紹介していくことにする。

【開びゃくの七御嶽】
・国頭村辺土の「安須森」(アシムイ)の御嶽
・今帰仁グスク南方の「クボウの御嶽」(クバの御嶽とも)
・沖縄随一の霊地とされる「斎場御嶽」
・美しく尾根が海上に羽ばたくように見える「薮薩の御嶽」
・古城の面影をしのばせる玉城グスク内の「天つぎあまつぎの御嶽」
・神の島久高のほぼ中央にある「フボー御嶽」
・首里城内にある十嶽の中でももっとも神聖視される「首里森の御嶽」

参考書籍:沖縄の拝所 沖縄の聖地

カテゴリー: 御願めぐり | タグ: , , , , , , , , |

スポンサーリンク