黄金洞(フガニガマ)の拝所のあるシノクセ(宜野久瀬嶽)に接続する岩山が、もう一つの聖地とも称される「アフリ嶽」のあるアフリである。
頂部の岩が折り重なるあたりを地元では「ウネガラシ」とよび、拝所がアフリ嶽の御嶽である。
『琉球国由来記』に記された「アオイの御嶽」のことで、神名は「カンナカナノ音イベ」という。
『琉球国由来記』には次のようなことが記されている。
昔君真物が出現するときには、今帰仁間切のアフリハナ(今帰仁村在のスチムナ御嶽)に冷傘が立ち、そしてコバウノ嶽(今帰仁村在のクボウの御嶽)にも冷傘が立ち、ここアフリ嶽にも立つ。
君真物とは琉球之古来神で、最高神の呼称である。
冷傘とは君真物のさす傘のことで、王府では「アフリ」とよぶ。日除けの絹張りの天蓋傘で周囲にひれを垂らしている。
山中で冷傘をかざした神女が規式を行って神を迎えたことに由来するものであろう。
なお、アフリ嶽にむかう参道らしきものは見当らない。
錯綜する樹幹をぬうように頂部にむかうことになるのだが、特に目じるしになるものがなく、注意深くしておかないと樹幹の中をさまようことになる。
〔次回 10月10日|安須森散策 その4 チザラとイヘヤ〕
安須森散策 その3 聖地アフリ
スポンサーリンク