12 「チヂガミの効用」

ユタがそれぞれ独自のチヂガミを持つことは先回で述べた。
独自のチヂガミを持つことによって、ユタがそれぞれに独自の「ハンジ」(判示)を出すことを可能にしているわけだ。また、ユタが組織としてまとまらず、もっぱら個人営業に専念し、自由で特定の形にはまらない「ユタグトゥ」ができるのも、自分専用のチヂガミを持っているおかげだともいえる。さらに、ハンジを出す際に「チヂガミがこういっている」とか「チヂガミがこうさせる」というセリフが出てくるのも、専用のチヂガミの効用といえるだろう。

カミダーリ状態のときに乗り移ったチヂの力をかりて霊的能力を開発し、カミガミや祖先の霊と交流ができるようになるとされているから、チヂの力は絶大なものであろうし、ユタは生涯、チヂガミに仕えなければならないとされる理由も理解できる。

〔次回 4月18日|13 「チヂガミの正体」〕

参考書籍:

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