16 「カミグトゥの始まり」

カミグトゥというのは、祖先やカミに対する供養や御願全般のことをいう。心身の不調が続き、現代医学では原因をつきとめることができない。それなのに当人は苦痛を訴え、異常行動はおさまる気配を見せない。

 そうなると、思いあまった家族はたまりかねてユタにかかることになる。いわゆる「ユタ通い」が始まることになる。当然のこと、一人や二人のユタではない。

 「ムンナレーシーガ イチュン」(物習いに行く)とか、「ハンジをとりに行く」などといって、方々のユタを訪ね歩くことになる。その結果、カミダーリ状態に入ったことが決定づけられると、今度はそれをはずすための「カミグトゥ」が始まるというわけである。なぜなら、ユタは判で押したように「カミグトゥ」をしなければならないという「ハンジ」を出すからだ。

〔次回 5月9日|17 「カミグトゥへの抵抗」〕

参考書籍:

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