おもしろ石敢當 その1

数は少なくなってしまったが、各市町村に残っている伝統的な石づくりの石敢當には実に個性的なものが多い。
そのほとんどは重量感あふれる自然石(琉球石灰岩=ニービと呼称される細粒砂岩)である。
石に刻まれた文字も、巧拙は別にしてもそれぞれに味わいがある。恐らく石工の手によって刻み込まれたのであろう。また、大きさに違いはあるものの長い風雨に堪えたゴツゴツした石面からは石の持つ呪力が放たれているようにも思える。
小路の突き当たりに立てられたこれらの石敢當を見ていると「敢えて当たって霊力どもをねじ伏せて従わせる」という、石のもつ強固な霊力を感じさせるから不思議である。
今や沖縄名物の一つにもなった石敢當だが、その大半を占めるのはレディーメードの石敢當である。言うまでもないことだが、それらの石敢當は、ほぼ同規格で、書体も似通っており、おもしろ味という点ではいささか物足りない。
次回から、現存する石敢當の中から特に個性的なものを選び、紹介していくことにする。

〔次回 7月11日|おもしろ石敢當 その2〕

参考書籍:沖縄の魔よけとまじない

カテゴリー: 石敢當とシーサー | タグ: , |

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