ヒヌカン・トートーメー前での儀礼

ナー(庭)での儀礼が終ると、祖母は赤ちゃんを抱いたまま台所にまわり、ヒヌカンに命名の報告をおこなう。
そのとき、祝いのためにたきあげた産飯をイビラー(しゃもじ)で3回かきまぜながら「ミーミーミー」と唱える。唱えることばの「ミーミーミー」は福をさずけるまじないだと信じられている。

ヒヌカンへの報告を済ませると、赤ちゃんを仏間で寝かせる。寝た赤ちゃんの上にカニやバッタをはわせる。
トートーメーには酒とウバギーをお供えし、線香をあげて祖先の霊に無事に生まれたことへの感謝のことばをささげ、ワラビナーを報告する。
これで「ナージキ」の一連の儀礼は終了することになる。

なお、カニやバッタをはわすのは、カニのように丈夫で強い子に育つように、バッタのように元気で飛び回る子に育つようにという願いが込められているのだという。
ナージキに使用した弓矢は軒の内側にさしておくのが古くからの習わしであった。
ヤナムン(悪鬼や悪霊)を祓ってくれると信じられていたようだ。

〔次回 12月19日|満散〕

参考書籍:家庭でつくる 沖縄行事料理とふるまい料理 沖縄祝い事便利帳

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