シーサーのルーツ その2

墓の袖垣に石筆を立てて、その獅子像を設置するのは中国人の墓制にならったものだとされている。先回紹介した玉陵の東西の石彫獅子の設置は、まさに中国の墓制に倣ったものであろう。また、中国の獅子像は貴族の墓陵や仏寺を守る守護神として設置されているという。

これらのことを考え合わせると、沖縄の獅子像設置の習俗は中国から導入されたものだということが理解できる。

王家を中心とした貴族層に受容された獅子像設置の習俗は、当初は民衆に浸透するまでにはいたらなかったようだ。ただそれは当然のことで、権力とは無縁の一般民衆にとって、権威を示す象徴として獅子像に関心を抱くこともなかったのであろうし、墓を持たない人びとにとって、これらを守護する必要性もなかったわけだ。
とは言いながらも、獅子像そのものは、その後村々で製作される村獅子として伝播していくことになる。

〔次回 3月18日|ヒーゲーシから守り神へ〕

参考書籍:沖縄の魔よけとまじない

カテゴリー: 石敢當とシーサー |

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