12月24日の上天(昇天)の拝み

旧暦の12月24日は、ヒヌカンが天の神さまのもとに帰る日だとされ、その日に「ヒヌカンの上天の拝み」がおこなわれる。
ただ、ヒヌカンが上天(昇天)するという考え方は、中国のカマド神の影響を受けて沖縄に定着したとされているが、そうした考え方が全島域にいきわたっているわけでもない。
また上天の理由として「一家の一年中の出来事、家族のよい行い、悪い行いすべてを報告するため」とする地域が多いのは確かだが、それも一様ではない。

ともあれ、上天説が信じられている地域では、その日は御願がおこなわれる。
御願に先だって、まずは「すす払い」をおこなうという地域が多い。すすの中には家族のおこなった悪事が入っており、それを天の神さまに報告されないためだとされている。
また別の地域では、台所をきれいにし、ウコールの灰をかえるところや、塩でヒヌカンを清めるというところもある。
こうした伝統的な習慣もなくなりつつあるようだ。
すす払いが終ると供物をそなえることになるのだが、その種類は地域や家によってまちまちである。

●一般的なそなえもの
水・お酒・花米・洗い米.赤ウブク三つ・ウチャヌク(三飾り)・線香タヒラと二分の一(12本・3本)・ウチャワキ
※近年、この日に「ウグヮンブトゥチ」(御願解ち)をおこなう地域がふえたようだ。

以前は、ウグヮンブトゥチとヒヌカンの上天の拝みは別々におこなうのが一般的であった。ウグヮンブトゥチは過去1年間の神々への願を解くのが趣旨だが、合わせて加護に対する感謝も捧げるのが習わしとなっている。
当然、ヒヌカンにもウグヮンすることになるので、上天の拝みもいっしょにおこなわれるようになったのであろう。

〔次回 1月16日|ヒヌカンの下天の拝み〕

参考書籍:家庭でつくる 沖縄行事料理とふるまい料理 絵でみる 御願365日

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