クボウの御嶽のイビの祭祀は「ワカツカサの御イベ」といい、毎年春秋2回、旧暦の5月15日と9月15日に例祭が行われる。
例祭は「大御願」(ウフウグヮン)と称されている。
今帰仁ノロを筆頭にトゥムナハーニーと呼ばれる女性神役以下の各神人と今泊集落の住民たちの参加のもとに「五穀の神をまつり、子孫繁栄」を祈願する。
御嶽の祭場に設けられた拝所の上座にノロ以下の女神官が入り、祭りを始める棟を神に告げる。そして、ノロとトゥムナハーニーだけが頂部のイビまで登って行き、祈願を行う。
イビ前よりトゥムナハーニーノロが下で待機している者たちにむかって合図を送る。その合図をもとに人々がいっせいに礼拝する。
しかし近年、高齢のノロが頂部近くのイビまで登るのは無理があるとして、その代役のものと字当局が務めているようだ。
無事祈願をすました者が戻ってくるのをまって、参加者全員で祝宴をはる。 ちなみに神への供物は集落持ちで、豆腐、モチ、豚肉、お酒、花米などである。かっては豚肉のかわりに牛肉を供え、残りの肉は各個に配分していたという。
〔次回 5月21日|斉場御嶽〕
クボウの御嶽素描 その2 春秋2回の例祭
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