年中行事とヒヌカン ソーグヮッチその1

沖縄の正月行事は「ワカミジ」(若水)を汲むことから始まる。ワカミジは「ハチミジ」(初水)あるいは「ミーミジ」(新水)ともよばれる。 ワカミジを汲む役割は、子どもとする地域が多数を占めるが、男性あるいは女性とする地域もある。いずれにしてもワカミジとして用いるのはウブガー(産川)や村ガーなど決められたカーや共同井戸などである。 汲んできたワカミジは、真っ先にヒヌカンにささげられ、ついでウチャトゥをたてて仏だん(祖霊)におそなえする。残った水で家族のミジナディ(水撫で)がおこなわれ、一年間の無病息災を … 続きを読む

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死とヒヌカン

かっての沖縄では家人が亡くなるとカマドを取り壊し、ヒヌカンの依り代である三つ石を取り替えるという地域が多く見られた。家族の守護神という役割が家人の死亡により一応の終止符がうたれるということなのだろう。残された家族は新しいヒヌカンの依り代によって守護されるということになる。 カマドが姿を消し、三つ石のかわりにウコールを依り代とする現代では、このような習俗もいつの間にか忘れ去られてしまったようだ。 地域によっては家人というより司祭者である主婦が亡くなったときだけ取り替えるとするところもあった。またヒ … 続きを読む

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分家とヒヌカン

結婚などを機会に分家して一家を構えるとき、生家(親元)のヒヌカンから灰などを分けて新しく仕立て(ヒヌカンを)て家の守り神とする。現在でも、ごくふつうに見られる習俗の一つである。 生家のヒヌカンに線香(12本・3本)をともし、分家する旨を報告する。線香の火をいったん消して、ウコールの灰を指先で3回つまみ取る。 新しく仕立てたヒヌカンのご神体となる「ウコール」に生家より分けた灰をまぜ、線香に再び火をつけて、分家先にお迎えしたことをしらせる。その後、生家より持ってきたみそと塩を新しいヒヌカンにおそなえ … 続きを読む

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ニービチとヒヌカン その3

ムクイリをすませるとつぎなる儀礼は「ユミンケー」となる。 ユミゾーイアンマーとよばれる女性二人、男性二人、提灯持ち二人、ビンシー持ち一人の計七人で嫁家へむかう。ムクイリと同様の接待を受けて一応の儀礼をすませた後、頃合いを見計らって提灯持ちのひとりが「いい頃合いになりましたので、ご案内致します」という言上を三回繰り返して、花嫁を男性家へ案内する。 ユミゾーイ一行が花嫁を案内してくると「いーりみせーびり」と三回唱えて花嫁を家へ招き入れる。 花嫁はまず、花婿の家のヒヌカンに今日から当家の嫁になったこと … 続きを読む

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ニービチとヒヌカン その2

サキムイで話がうまくまとまると、つぎなる儀礼「クファンムイ」へすすむ。クファンムイとは、嫁方の親戚への挨拶や披露のことで、婚姻が認知されることを意味する。今でいうところの「結納」ということになろう。 男家から女家へごちそうを持参して出向き、盃事ののちに酒宴をはる。クファンムイをすませた男女は、周囲から夫婦とみなされた。その日より、昼間は別にして夜ともなれば男性が女性宅に通う。それが「通い婚」と称されるもので、女性宅に通うことを「妻問い」という。 ただ士族層ではこうした通い婚の風習はなく、「ムクイ … 続きを読む

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ニービチとヒヌカン

今日的な結婚観からすると「ニービチ」は、単純に結婚式および披露宴ということになるだろう。ところが伝統的な沖縄の婚礼儀式では、「ニービチ」の前に「サキムイ」、あるいは「クファンムイ」という儀礼があった。 格式および伝統にこだわる家では、今でもこれらの儀礼に相当するようなことが両家の間で執り行われている。 「サキムイ」は婚約を意味する儀礼のことで、その酒宴を「サキムイスージ」という。サキムイには、男性の家から「ニンゴーザキ」(二合酒)、茶、お茶受けなどを持参する。 沖縄では儀礼用の酒は「ニンゴーザキ … 続きを読む

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タンカーユーエーとヒヌカン

タンカーユーエーとは満一歳の誕生日のお祝いと儀礼のことである。この日はごちそうをつくって親戚や友人・知人を招いてスージ(祝い)をする。 ヒヌカン・仏だんに供物をそなえて、生まれた子の健やかな成長を祈願する。 祈願を終えた後「タンカー占い」と呼ばれている誕生日を迎えた子の将来を占う儀式が、タンカースージに集まった人たちの見守る中で行われる。この一連の儀礼のことを「タンカーユーエー」という。 ヒヌカンには酒・花米・赤ウブク三つをおそなえし、線香タヒラ半(12本・3本)をあげて丈夫なからだにしてくださ … 続きを読む

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ハチアッチーとヒヌカン

生まれた子を抱いて初外出することを「ハチアッチー」(初歩き)という。手っ取り早くいえば生後初の母子の里帰りということだろう。ふつう、生後1ヵ月前後におこなわれる誕生儀礼の一つだが、地域によっては決められた日におこなうとするところもあるようだ。 その日の家を出る前に「ヒヌカンガナシ ハチンジャーサビィクトゥ カラダキミソーリ」と唱えて火の神を拝み、赤ちゃんの額にナベのすすをつけた。そして魔よけとして母親のふところに弓やハサミ、小刀などをしのばせた。 すすをつけるときには「アンマークートー ターン  … 続きを読む

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マンサンとヒヌカン

マンサンは赤ちゃんが無事に生まれたことを感謝し、健康に育ちますようにという願いを込めて、ヒヌカン・トートーメーに祈願する儀礼である。 6日マンサンあるいは7日マンサンということばが残っているように、かっては多くの地域で出産後6〜7日目に「ジールシンチ」という儀礼をおこない、その晩に「マンサンユーエー」をおこなっていた。 マンサンは「儀礼の終了を意味する仏教用語の満散」のことで、ユーエーは産の終わりを告げるスージ(祝儀)を意味する。 まずはじめに、ヒヌカンに酒・花米・ウチャワキをおそなえし、線香を … 続きを読む

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ナージキー占い

ワラビナー(童名)は長男・長女であれば父方の祖父母の名を、次男・二女であれば母方の祖父母の名をつけるのがふつうであったが、特にあやかりたい人や親族の中で尊敬する人がいればその名をもらう例もあったようだ。 ワラビナーを決定するにあたっては「ナージキー占い」をするのがしきたりとなっていた。花米(米粒)を使って占うのが一般的であった。 ヒヌカンの前に少量の花米を用意し、その数をかぞえる。総数が「ハン」(奇数)であれば希望する名前をつける。偶数の場合はやり直し、ハンになるまで繰り返す。 または、二カ所に … 続きを読む

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