タグ別アーカイブ: ヤシチガミ
家づくりの儀礼 その1
家づくりの儀礼の中核を成すものは「ヤシチガミ」(屋敷神)への祈願であり、工事中の安全祈願であり、そこに住む人たちの健康と繁栄を願う祖霊への祈願が中心となる。 家・屋敷を守護してくれると信じられているカミガミは、一般的には「ユシンヌカミ」(四隅の神)、「ウジョウヌカミ」(御門の神)、「ナカジンヌカミ」(中陣の神)、「フールヌカミ」(豚便所の神)そして「カーヌカミ」(井戸の神)である。 フンシーミー(風水をみる人)やサンジンソウ(三世相)などによって屋敷地の吉凶を占ってもらい、家屋・門などの位置を決 … 続きを読む
各地の屋敷の御願 その4
同じ北部でも大宜味村の塩屋は、ほとんどの家が石三個を屋敷の東側に置いて屋敷神として祀っている。三つ石のヒヌカン同様に、丸みを帯びた石を△形に安置して屋敷神としている。屋敷神のことを「ヤシチガミ」ともいうが「ニワガミ」とよぶ人も多い。 屋敷の御願は旧暦の2月・8月・12月の年3回行っている家が多いが、年に1〜2回とする家もあり一様ではない。司祭者はだいたいが祖母の役割となっているようだ。 同じ大宜味村でも大兼久集落では、セメント造りのやや大きめの祠を屋敷神としている家が多い。中にウコールを安置して … 続きを読む
主婦のおこなう屋敷の御願
家族が日々の暮らしを営んでいる家・屋敷は、「ヤシチガミ」とよばれている神々に守られ、浄められていると信じられている。 こうした家・屋敷を守護し、浄めてくれる「ヤシチガミ」に感謝し、あわせて家族の健康と家の繁栄を祈願するのが「ヤシチヌウグヮン」(屋敷の御願)である。 一般的に家庭の主婦がおこなう「ヤシチヌウグヮン」は、年2回、旧暦の2月と8月の春秋の彼岸の入りをめやすとするものと、旧暦12月24日の「ウグヮンブトゥチ」のときにいっしょにおこなうものがある。 2月と8月におこなうヤシチヌウグヮンは、 … 続きを読む
ウグヮンブトゥチ(御願解き)
旧暦の12月24日は、トートーメーをはじめヒヌカン、ヤシチガミ(屋敷の神々)に一年間に叶えられた願いごとや幸いなことに感謝し、逆に不幸なことや災厄は解消されることを願う日である。 あわせて、もろもろの願(がん)をほどく日だとされている。 このような意味から「ウグヮンブトゥチ」あるいは「フトゥチウグヮン」(解き御願)とよばれている。 また同じ日に、ヒヌカンの上天の拝み(昇天の拝みとも)や屋敷の御願をおこなう家も多い。 かつてはウグヮンブトゥチと上天の拝みは別々におこなうのが一般的であったようだが、 … 続きを読む